All's well that ends well!

終わりよければすべてよし

現戦力で考えられる最大攻撃力の打順とは

ご無沙汰しております!

大敗後の周平離脱で心がしぼみそのまま一月が過ぎていました…。順位は最下位転落、周平も予定よりかなり早く復帰をしたもののなかなか調子が上がらない日々でしたが、少しずつ怪我人が帰ってきたことで復調の兆しが見えてきたのは嬉しいかぎりです。

 

今日の巨人戦も後半少し追いつかれながらも逃げ切ることができました。8月の後半はビジター試合がほとんどですので、ここでどこまで借金を減らすことができるかが順位の鍵を握ると思いますので、暑さ真っ盛りですが頑張ってもらいたいです。

昨今の中日ドラゴンズ打順論争について

さて、間も無くペナントが折り返しに差し掛かろうとしておりますが、今年も得点率長打率問題がやってまいりました。今年は加えてHR数最下位。オープン戦まで取り組んでいた"強いスイング"は鳴りを潜め、"フライを飛ばす"どころかゴロ量産祭り…。ここまで不調と怪我人が一気にくるとは首脳陣も思ってもいなかったと思いますので、頭を抱えていたことと思います…。

選手層、特に中堅層がぺらっぺらなこともあり、采配もなかなか思うようにふるわず結果平均得点がおおよそ3程度と12球団最下位になってしまったこともあり、打順の組み方について論議が行われている様子を様々な場所で見かけました。

そんな中、先日お股ニキさんの「セイバーメトリクスの落とし穴」を読了しました(遅い)。読み進めると昨今の中日に足りない部分をたくさん感じるようになり胸が痛くなったのですが、とても勉強になりました。とくに『監督・采配論』の章の中で触れられていた打順については眼から鱗の話がたくさん載っていたので今日はそこの話を。

 

金曜日の巨人のカードからアルモンテがようやく復帰できましたが、その一つ前までのカードのスタメンをまず振り返りたいと思います。

8/12広島戦スタメンを振り返る

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8/12 広島戦スタメン 引用元:Sports Navi

それぞれの直近5試合(8/15時点なのはすみません)・対広島戦の打率と出塁率長打率を並べます。※引用元:nf3 -Baseball Data House-

直近で調子が悪いのが大島さん・福ちゃんの2選手の一方、広島を苦手にしているのが阿部ちゃんですね。

打てる選手を近くにまとめるメリットは、分散させるメリットを上回るので問題ない。大して層が厚くもないのに優秀な選手をばらけさせ、全体の力が薄まっている。

6章:『監督・采配論』より

 上記でも指摘しているように(耳が痛いですが)、著書内では打てる打者をまとめることを勧めている。それを踏まえると、1番・3番に不振な二人…特に大島さんが1番は少し物足りないのかもしれません。また、好調で広島戦も苦手としない京田くんとビシエドが続いてもよかったかも?と数字からは読み取れます。

 打撃論順に並べてみる

また、打撃論で語られている打順の役割にそれぞれ当てはめて行きます。

  1. 京田(出塁率
  2. 福田(出塁率
  3. ビシエド長打率
  4. 高橋(OPS
  5. 井領(OPS
  6. 木下(OPS
  7. 大島(OPS
  8. 阿部(OPS

なんとなく見れるように…?福ちゃんの2番はホームランも打てる相乗効果と、フォークなど落ちる球を見送れるようになった影響で最近四球も増えていますし、最近のトレンドでもある2番最強打者論にも適しているように思います。

ジグザグ打線を考える

ここに、加えて『ジグザグ打線』の要素を加えて行きます。

積極的にスイングする「積極型」と、ボールをよく見る「待球・出塁型」を交互に並べることだ。 

6章:『監督・采配論』より

 ここで広島戦での四球数も含めて見てみます。

積極が少ないですね…。これが得点につながらない理由かもしれません。

  1. 京田   出塁型
  2. 福田   出塁型
  3. ビシエド 積極型
  4. 井領   出塁型
  5. 高橋   積極型
  6. 木下   出塁型
  7. 大島
  8. 阿部

ジグダグ打線を考えると、ビシエドと周平を離すことになりますが、それだとビシエドとの勝負が避けられ井領勝負になりかねないのでやはり4番周平でしょうか…。ともあれどちらにも当てはまらない下位二人の打順は悩みますね…首脳陣もこんな感じだったのかなと推察します…。それであれば、3人制である捕手の木下くんを積極型の郡司くんにするのも一つであったかもしれません。

結果

数字だけでみると打線が繋がりにくいように見えたスタメンではありましたが、4点を取り勝つことができました。

相手の四球も絡みましたが、出塁型に分類していた井領くんの安打が積極型の役割も担い得点につながる結果となりましたので、やはり野球は数字だけで考えるのは難しいなとしみじみ感じました。人間などで、その日のムラや調子もありますよね。

今足りないものは数知れず

以上、打撃に振った打順でしたが野球は攻撃力だけではなく、守備力も求められます。その中でセンター大島さん、セカンド阿部ちゃんの能力は外せない部分でもあります。

いろんな方々が指摘している通り、レギュラーが不調のこのタイミングで下から突き上げてくる控えがいないところにもまた選手層の薄さや、過去の編成・ドラフトの影響を大きく感じます。

悲しき負債を背負った我らが中日ドラゴンズですが、6位から少しでも順位が上がるように祈りながら明日のビジター巨人戦も勝って勝ち越してもらいたいです!

 

今回色々とデータを元に振り返ることで、3番ビシエド論や阿部ちゃん下位打線論などの理由が自分の中で明確に見えたように思います。

次回は同じく「セイバーメトリクスの落とし穴」で触れられていた、ドラフトの結果は7年後に出るという話で、2013年ドラフトを振り返ってみたいなと思います!